保活最前線 ~4月入園1歳児クラス~

その他

1歳児クラスは激戦区

現在、育児休業は1年間は雇用保険から給付金がもらえる仕組みになっています。状況によっては2年まで延長できますが、多くのご家庭で1歳を迎えた4月に職場復帰&お子さんの保育施設への入園を考えられているのではないでしょうか。

しかし、1歳児クラスへの保育所入園の申込みは上記のように育休明けの型が多く、他のクラスに比べて激戦の傾向にあります。加えて、認可施設では国が定める基準で1人の職員が見られる子どもの数には制限があり、1歳児クラスは職員1人に対する子どもの数が少なく、人員配置上、3歳児以上よりも定員が少なくなります。(※1参照)

年齢保育士1人に対する子どもの人数
0歳児3人
1~2歳児6人
3歳児20人
4~5歳児30人
※1 国が定める保育士の配置基準

さらに、0歳児クラスから入所している子どもたちはそのまま1歳児クラスに入るので、1歳児クラスで新規に入所できる子どもの数はより少なくなります。(※2参照)

職員数子どもの定員新規受け入れ人数
0歳児クラス
1歳児クラス189(定員18人ー0歳児クラスの子ども9人)
※2 入所定員に対する新規受け入れ人数(例)

このように、1歳児クラスの4月入所は相当な激戦になります。

保活で大切なのは”情報収集”

4月入所の申込みは市町村によって異なりますが11月~12月頃になります。

この時期までにできるだけ多くの情報を集めておくことが大切です。

では、どのような情報を集めておくとよいのでしょうか。そのポイントをお伝えします。

①保育施設の形態

 保育施設には以下のような運営形態があります。(※3参照)

認可の有無施設の種類特徴
認可保育施設認可保育所(園)保育を目的としており、生活習慣の確立と自由遊びが主な内容となります。
※1で示した職員の配置基準で運営されています。
認定こども園「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」「地域裁量型」と種類があり、保育内容がそれぞれ違ってきます。お子さんの教育を視野に入れている方は、「幼保連携型」や「幼稚園型」に注目してみてください。
※1で示した職員の配置基準で運営されています。
小規模保育事業A型0~2歳までの保育をします。A型は保育従事者の100%が保育士となります。
※1で示した職員の配置基準(0~2歳)で運営されています。
小規模保育事業B型0~2歳までの保育をします。B型は、保育従事者の50%が保育士となります。残りの50%は保育補助などで保育士免許を持っていないパートの方が入られることが多いです。
※1で示した職員の配置基準(0~2歳)で運営されています。
小規模保育事業C型0~2歳までの保育をします。年齢ごとに職員の配置が分けられているのではなく、”職員1人につき子ども3人”という配置になります。
家庭的保育事業小規模保育事業よりもより規模小さい中で0~2歳までを保育します。小規模保育事業C型と同じく、”職員1人につき子ども3人”という配置になります。
事業所内保育事業事業所内で行う保育事業です。定員19人以下であれば小規模保育事業A・Bと同じ職員の配置基準になります。定員が20人を超えると保育所と同様の配置基準になります。
認可外保育施設認可外保育所(無認可保育園)行政の認可はありませんが、設置に関して行政への届出は行われています。職員の配置基準が認可よりも厳しくなく、運営主体の裁量によって様々です。
企業主導型保育事業待機児童解消のため、内閣府から直接補助を受けて運営しています。認可外ではありますが、保育士の配置基準は認可保育施設と同じです。
※3 保育施設の種類

このように、保育内容や保育士の配置基準がそれぞれ異なっています。各市町村で入所申込みをするのは認可保育施設になりますが、その中でも保育内容は運営主体によって様々ですので、それぞれの施設の特徴を踏まえて精選する必要があります。

②保育内容

様々な運営形態の中でも、多くの方は保育所(園)か認定こども園を考えられる方が多いのではないでしょうか。その時に保育内容を考慮してみてください。園によって様々なので、実際に見学に行ったり、職員さんに質問してみたりして調べることをおすすめします。

私の場合は以下の点に注意してみました。

項目チェックポイント
遊具屋外、屋内ともに遊具が充実しているか。
子どもにとって遊びは最大の学びの機会です。子どもの発達や学びを誘発する遊びの環境が考えられているかチェックします。
行事行事に対してどのようなスタンスを持っているのか施設によって様々です。「きちんと」「上手に」「自分で」「過程を大切に」などキーワードがあると思います。行事で何を大切にするかはお子さんをどう育てたいかにも関わってくるので、ご家庭の方針をよく話し合っておくとよいと思います。
友だちや職員の雰囲気関わる人は最大の教材です。とくに職員がどのような関わり方を子ども達にしているか、あるいは、子どもたちに促しているのかは大切になってきます。見学会や園庭開放などでさりげなく見てみたり、質問などで話してみたりしてみてください。
食育への取り組み園によっては園庭を使ったり、地域の畑をお借りしたりして野菜を栽培・収穫するなど、食育に力を入れている園もあります。食べることは生きることに繋がります。幼児期に食に関心をもてる土壌を培うことができるかチェックポイントに入れてみてください。
課外教室園によっては、「英語教室」「体操教室」「音楽教室」など、特別に講師を招いて定期的にお勉強の時間を取り入れている園もあります。幼児期に親しんでおくとよいものもあるかと思いますので、ご家庭の意向に沿ったものがあるか確認しておくとよいと思います。

③送迎時間

毎日通う保育施設だからこそ、いくらよい内容の場でも遠すぎる場所は負担が大きいです。朝、夕の混雑具合も考慮して送迎の時間を計算してみてください。

施設によっては園バスがあるところもあります。しかし、仕事の出勤時刻と園バスの通過時刻が合わないこともありますので、毎日無理なく通える方法、時間を考えてください。

④費用

認可保育施設の場合、0~2歳は市町村の定める保育料を払います。3歳以降は保育料が無償化されます。しかし、これとは別に、「環境設備費」「制服」「教材費」など別途徴収する園もあります。毎月数千円~1万円を超える園もあるので、注意してください。

⑤保護者負担

通園に向けて、手提げ袋やエプロンなど、各家庭で用意するものがあります。また、毎日のオムツやお昼寝用の布団も、サブスクやレンタルを行うところと、全て各家庭で用意するところとあります。施設によっては「保護者会」が頻繁に行われるところ、行事の度に保護者が運営をするところなど様々です。保護者の負担がどれだけあるのかよく確認しておいてください。

入所しやすいフルタイム復帰

保育所の入所の優先順位は両親の就業状況によって異なります。それは、保育の必要性が高いものが優先されるからです。そこで入所に有利に働くのが両親ともに「フルタイムで育休からの職場復帰」です。可能であれば入所のためにまずは4月はフルタイムで復帰、その後、状況によって調整するというのがおすすめです。

ワ―ママに超おすすめ 「企業主導型保育事業」

ここまで、認可保育施設への入所に向けての情報をお伝えしましたが、最後に紹介する「企業主導型保育事業」は認可外保育施設です。

しかし、認可外と言っても職員の配置基準は認可保育施設と同様で、補助も内閣府から直接出ているため、余裕をもった運営をされています。

そうはいっても、施設により保育内容に違いはあるのですが、企業主導型保育事業の中には、手厚い人員配置で幼稚園のように教育の機会も取り入れてきめ細かな保育をしている施設もあります。そういった施設はワ―ママには超おすすめです。

以下にその理由を挙げます。

①なんてったて”安い”

ワ―ママといえば、夫婦共働きの家庭も多いと思います。このような家庭は世帯年収が多く、0~2歳児の保育料も高くなる傾向にあります。高い保育料を払いながら、何のために働いているのか疑問に思うこともあるのではないでしょうか。

そんな中、企業主導型保育事業では、所得に関係なく一律に平均的な額(3万円後半~4万円前半)の保育料であることが多いです。

これはワ―ママにとっては魅力的ではないでしょうか。

②市町村の保育所入所申込みとは別

認可保育施設は一括で市町村に保育所入所の申込みをして、結果を待ちます。入所の基準も市町村で決められた基準に照らして判断されます。

しかし、企業主導型保育事業は認可外保育施設のため、申込みは施設に直接の場合が多いです。

施設によっては、入所条件が就業時間に関係なく、就労の有無のみのところもあるため比較的どの就業形態でも入所しやすいです。

また、市町村の入所申込みよりも早い時期に申込みを開始している施設もあり、ここで決まれば保活は終了となるため、保活の負担も少なく済みます。

※企業主導型保育事業の注意点

企業主導型保育事業の入所申込みで注意が必要な点があります。

それは、入れる枠に制限があることです。企業主導型保育事業は企業の待機児童解消の目的で設置されているため、まずは提携企業に就労している方が優先になります。これとは別に、地域枠という枠があり、地域の子どもも受け入れるようになっています。ですから、無制限に希望したら入れるというわけではないので注意が必要です。

おわりに

一概に保活と言っても、希望する保育施設は様々でしたね。早めの情報収集でお子さんにあった場所で保護者が無理なく通わせられる場所を選んでくださいね。

そして、保活が終わると、育休終了がぐっと近づいてきますね。

貴重なお子さんとの時間を大切に、仕事復帰に向けて準備をしていってください。

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